ヤツのオデコに一文字くれろ!第13回「田中好子」

「好」:ピロさん(読者投稿)

好子さんという名前と誰からも好かれていたという意味で、
「好」はどうでしょう。

 

 

 
「母」:鎌田浩宮

僕には子供はいないけれども、友達の子供が可愛くって、抱きしめたくなるくらいな時がある。
目ん中ぁ入れても…ってな具合だ。

僕がスーちゃんを知ったのは、「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」じゃないかなあ?
伊東四朗、小松政夫、し~らけどおおりいい~、電線マン。
キャンディーズが小松政夫を絶望的なサディスティックさでイビるコントを見ては、毎回おののいてました小学1年生。

キャンディーズが解散して、ピンク・レディーの人気が絶頂になった小学4年生頃に僕らはアイドルに目覚めたので、僕も周りもピンク・レディーファンばかりだった。

そして大人になり、2001年、沖縄が大好きな僕は、大喜びで「ちゅらさん」を観ていた。
初めて、大好きな沖縄が、朝ドラになったんだもん。
スーちゃんがもうその頃、乳がんとその再発に苦しんでいる事も知らず。

そして、スーちゃんが旅立ってしまった後、2014年のつい先日まで、NHK-BSで「ちゅらさん」が再放送されていた。
国仲涼子ちゃん演ずる娘のエリーが恋をし、就職をし、結婚をし、子供を産み、その度にお母さん役のスーちゃんが笑顔になるのを観て、僕は涙が止まらなかったんです。
なんて、素敵な笑顔なんだろう。
なんて、幸せそうなんだろう。

スーちゃんは、実生活では子供がいなかった。
敢えて作らなかったのか、がんが原因で作れなかったのか、あるいは他の理由か、それは全く知らないのだけれど、スーちゃんは芝居の中で、娘と孫に恵まれた。
放送が終わった以降も、2人は仲が良くって、互いをお母さん、エリーと呼び、度々食事などを楽しんだようだ。

スーちゃんがもういなくっても、テレビの中では永遠に、エリーの一挙手一投足に喜び、笑い、涙している。
お母さんは、いつまでも永遠に、お母さんだ。
だから、スーちゃんのオデコには、お母さんの一文字が、きらっきらに輝いている。

スーちゃん、立派な、お母さん。
いつまでも、いつまでも。

 


2014.04.02