第六話「カツ丼」 <前編>

 

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顔を腫らし、マスター(小林薫)の店にやってきたカッちゃん(音尾琢真)は
ボクサー。勝った日に食べるのは「カツ丼」と決めているが、ボクシング
だけではやっていけず、他の仕事をしながら練習にあけくれている。
ある時カッちゃんは常連客の一人、アケミ(霧島れいか)と出会う。近所の
スナックで働くアケミは夫を亡くしていて、今は小学生の娘・マユ(桑島真里乃)と二人暮らし。マユにも慕われ、カッちゃんはアケミに恋心を募らしていた。
そんなカッちゃんに、勝てば次はタイトルマッチというビッグな試合が飛
び込んできた。勝ち目なしという厳しい下馬評にも関わらず、カッちゃん
は仕事を辞め、ボクシングに専念する。
そして「勝ったらアケミさんにプロポーズ」をしようと考えていた。
ようやく掴んだタイトルへの挑戦権・・・運命のゴングが鳴る。
 
 
求める女。戦う男。
 
オープニングで流れる新宿の街を眺める、鎌田氏と倉田。
 倉田「なんだか久しぶりに新宿に来た気がします・・・」
 鎌田「そうだね。東京に住んでいるのにね・・・。
    これを観ると、新宿に行ってもいいかなって気分になるよ」
 倉「最近、行ってないですねえ」
 鎌「行かないねえ。こんなゴミゴミした街、暑いし行かないよ」
 倉「第六話は松岡監督なんですね。久しぶりですね」
 鎌「ほお!しかもTEAM-NACSの音尾さん主演!」
 倉「そうですね」
 鎌「でもTEAM-NACSは大泉洋以外、演技巧い人いないよね」
 倉「安田顕さんはまだ普通じゃないですか?」
 鎌「あ、ヤスケンはいいよね。しかし北海道では絶大な人気を誇る
   劇団ユニットだからね。全国で公演やっても全部満席だって」
 倉「そうなんですか!」
 鎌「『水曜どうでしょう』からの人気なんだろうけどね。
   あ、皆様に説明するとですね、TEAM-NACSは大泉洋が
   大学時代の時に結成した劇団ユニットでして。
   それから十何年も経っているが皆で続けてやっているという、
   仲の良い五人組だね」
 倉「まだ皆で続けられているのは素晴らしい事ですね」

アケミと娘のマユが深夜食堂で食事を取っているシーンにて。
 鎌「この回、水商売をしているお母さんのアケミが子供を連れて
   深夜食堂に来てるでしょ?俺は子供の時、居酒屋っていうのが
   ちょっと苦手でね・・・」
 倉「早いですね。僕は子供の頃に居酒屋に入った事は無かったです。
   ただ、町内の宴会やらにはよく行っていたので、酔っ払いの
   オジサンとかは、僕は嫌いじゃなかったです」
 鎌「へえ~」
 倉「でもよくよく考えると、食堂は12時開店で幼い子供を、しかも
   ゴールデン街に連れてくるなんてダメでしょ!とは思います」
 鎌「そうそうそう!
   あと、このアケミ役の女優さん、俺はいいなあって思ったね」
 倉「それは好みという意味で?」
 鎌「いや役者としてね。見た事ない女優さんだけど」
 倉「いい空気と視線を出している女優さんですね、霧島れいかさん」

ロートルボクサーのカッちゃん(音尾琢真)登場。
 倉「今年の春、知り合いのボクシングの試合を観に行ったんですよ。
   大学1年くらいの歳の子のデビュー戦を」
 鎌「ほお!」
 倉「そこで思ったのが、デビュー戦を勝つというのは本当に大変な
   事なんだと知りました。その日の二回戦目の子達は皆、デビュー戦
   負けているんですよ。ボクサーでデビュー戦から勝てるというのは
   相当なものなんだろうなと。その彼も負けましたし・・」
 鎌「俺も一回だけ後楽園ホールに観に行ったんだけど、スポーツは
   なんでもそうなんだけど生で観ると違うし、ボクシングは特に、
   ぶん殴っているわけだからね人を。死んじゃう人もいる訳だし」
 倉「だから勝つっていう事は一筋縄ではいかないんですよね・・・
   勝った日にはカツ丼を食べるっていうのも酷く悲哀を感じます」
 鎌「うん・・・」
 倉「ではこちらでも頂いてみましょうか、カツ丼を!
   (用意していたカツ丼を食し、) ヤベえッ! 俺、ボクシングの
   試合勝ってないのにカツ丼がウメぇ!」
 鎌「アハハハ!どれ俺も・・・うほっ! ウマイ! 勝ったっ!」

食堂で再会するカッちゃんとアケミ。そこで試合に招待するという
カッちゃんに対し「応援にはいくが、ちゃんとチケット代払います」
と伝えるアケミ。
 鎌「アケミさん、偉いっ!」
 倉「(笑) なっ、なんです?!」
 鎌「俺のライヴをね、あわよくば招待してもらえるんじゃないかと
   考えている奴らがいるようで、腹がたつ!ゼッタイ招待なんか
   しないよ!ライヴハウスに幾ら払ってると思ってるんだ!」
 倉「アハハハ!」
 鎌「こういう気遣いのできる女性はいいなあ~」
 倉「じゃあ鎌田さんのライヴに来る方は、アケミさんのこの台詞を
   是非、鎌田さんに告げてくださいませ!」
 鎌「そうですっ!」

娘を連れてのデートをする、カッちゃんとアケミ。
 鎌「このシーン、テレビ放映時にあった?」
 倉「いや、無かったですね。こんな手を繋ぐようなものは」
 鎌「そうかディレクターズカット版だから追加されているのか!」
 倉「このシーンは合った方が全然理解しやすくていいですね!
   二人の気持ちが近づき出していた事を知れるのは」

朝方の食堂。カウンターで泥酔しているカメラマン小道。
朝練帰りで食堂に立ち寄るカッちゃんは、想いをマスターに告げる。
 鎌「またダメカメラマン、なにしてんだ?(笑)」
 倉「鎌田さんはこのカメラマン大好きですね(笑)
   これまで何度と無く、彼が出る度にツッコむという(笑)」
 鎌「そうです(笑)」
 倉「カッちゃんはこれまでの回ではあんまりいなかった主役ですよね?
   これだけ照れ屋だけど真面目な。いい男です」
 鎌「可愛らしいよね。それに松岡監督にしては彼の描き方も
   ストレートだしね」
 倉「そうですね。絵作りも松岡さんらしくない感じですし。
   でもカッちゃんは結構年齢行ってる設定ですよね?30代を超えた」
 鎌「だろうね。所謂ロートルボクサー。新聞にもかませ犬と書かれて
   しまうようなね・・」
 倉「う~ん・・・。スポーツの世界ってルール上だけでなく、確実に
   年齢の壁は存在しますよね。だから芸術系などのアーティストが
   夢を追ってやり続けるという事よりも、ずっとずっと大変な
   事ですよね。同じ夢を追うでも一緒ではないと僕は感じました」

食堂に一人で訪れる酔った様子のアケミ。そんなアケミにマスターは…
 倉「(バーボンの注文に) バーボンなんてあったんだこの店・・」
 鎌「何でもあるね、ここは・・・。
   (アケミに言葉を授けるマスターに) ってマスター!!
   嗚呼、俺も仲を取り持ってくれるような酒場が欲しい!!!」
 一同「(爆笑)」
 倉「でもマスター、これまでの回から考えても、結構この二人の
   事には踏み込んでいますよね」
 鎌「うん。いい酒場だよね・・・マスター・・・」

決戦の日。リングに立つカッちゃん。そして・・・。
 倉「このシーンはさすがに・・・何故スタジオなんだろうと・・・」
 鎌「低予算だよね・・・予算キツイんだろうな・・・」
 倉「客入れなくても、後楽園とかでやって欲しかったですね」
 鎌「ちょっとビックリするよねコレ・・」
 倉「どうせ背景を黒く潰すなら、上からのスポットライトが強いから
   暗く見える、というようにコントラストの演出はして欲しかった。
   そうすればここまで安っぽくは見えなかったかと・・・」
 鎌「そうか、そういう事もできるよね」
 倉「この試合がもっと胸に刺さるような演出がなされていたら、
   この話全体の印象ももっと変わっていたでしょうね・・・」
 鎌「テレビの嘘が見えてしまうボクシングの試合だもんね。
   また音尾君がね、ジャブとかフォームがなってないんだよね」
 倉「はい・・・この点は非常に惜しいです・・・」

試合後、控え室に佇むカッちゃん。その背後に立つアケミとマユ。
 鎌「・・・こういう時、慰めてもらいたいタイプの人と、
   放っておいて欲しいタイプの人と、いるよね?」
 倉「そうですね・・。 鎌田さんはどちらですか?」
 鎌「俺は慰めてもらいたい。 倉田君は?」
 倉「僕は・・・・・・・・・・・・・・・・慰めて欲しいです(笑)」
 鎌「(泣き崩れるカッちゃんに) 独りで戦ってるんだよな・・」
 倉「そんなカッちゃんに言葉なく寄り添う二人。素晴らしいです・・」

食堂で開かれるカッちゃんのお疲れ会。そこでマスターは三人に・・・。
 鎌「このシーンで全てが挽回された!」
 倉「やはりマスター、これまでのシリーズから考えても
   前のめりですよね?そういう経験がマスターにもあったのかな」
 鎌「素晴らしい終わり方だ!マスター!!!」

エンドロールにて。
 倉「今回くらいじゃないですか?この曲が少しマッチしたの(笑)」
 鎌「遂にね!この作品に全く在っていないタイアップ曲がね(笑)」
 

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第六話<後編>へつづく・・・
 
 


2010.09.20